転ばぬ先のTsue

Korobanusakino杖
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町家

京町家 庵 石不動之町 (3)

水周りについて少し紹介しておきます。

近代的な快適さの追求とまではいかなくても、
古いホテルや旅館で一番不愉快を感じやすいのは水周りですよね。

特に女性は水周りの清潔感を重視する帰来がある気がします。
女性の方が男性よりも水周りで過ごす時間が長いせいでしょうか。

杖も今回の町家ステイにあたって、
一番気にしたのは水周りが相方の基準を満たすかどうかでした。

事前にいろいろと調べたところでは、
水周りがかなりきれいに改装してあるらしいことが分かったので、
最終的に踏み切ったという経緯がありました。

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上は居間から台所方面を見たところ。

手前にある手許箪笥(っていうのかな?)が味を出しています。
食器やお茶の類が収納されていました。

左奥の扉のむこうが風呂場と厠になっています。

キッチンのシンクはきれいにリフォームされています。

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冷蔵庫、電子レンジ、コーヒーメーカー、IHまでありました。
しっかりと料理もできるようですね。
長期滞在の人は自炊したりするのでしょうか。

賃貸物件のため、食事はありませんからね。
もちろん我々は1泊だけの滞在ですから、
自炊するほどしっかり者ではありませぬ。

すると、選択肢は外食か、仕出しを取るかです。
我々は河原町辺りに食事に出ました。

法事後の会食で遅めのランチを食べた後だったので、
かなりお腹がいっぱいで苦しかったんですけどね。。。

よく見ると、昔のかまどの跡もありました。

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こちらは洗面台。

ウェスティン都ホテルの時に、
最近円形の鏡をよく見ますよね。ということを書いたのは、
この町家の鏡とコンラッドの鏡を想像していたのでした。

ご覧のように洗面台も今風にきれいに改装をしてあります。

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風呂桶はこんな檜風呂。

なんと、この風呂には自動給湯が付いています。
ボタンひとつでお湯張りができ、一杯になると勝手に止まります!!

これにはさすがに驚きました。

お風呂場には窓が作ってあって、
湯船に浸かりながら坪庭が見えるようになっています。
この窓がちょうどいい具合に風呂場の閉そく感を解消してくれています。

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あとはトイレですが、もちろん便器は洗浄機能付きです。
欲を言えば、トイレに換気扇がないので、
もう少し換気機能を充実してあるとよかったかな。

でも、そんなことは減点要素にならないくらい。
懐かしオシャレな空間でした。

素泊まりのホテルよりは値は張りますが、
一泊2食付きの温泉旅館よりは安く上がるくらいです。

京都に滞在の節にはチャレンジしてみてはいかがでしょう。


株式会社 庵
〒600-8061
京都市下京区富小路通仏光寺下ル筋屋町144-6
TEL 075-352-0211
FAX 075-352-0213

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京町家 庵 石不動之町 (2)

石不動之町の町家についてもう少し詳しく説明しておきます。

1Fには居間、台所、風呂場、厠があり、2Fには寝室だけがある、
今風にいうと、1LKの間取りになります。
(町家ですからあえてカタカナは使わずにね)

2Fの様子も少し紹介しておきましょうか。

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2階の階段を登りきったところにも寝室と同じシリーズの、
Le Corbusier(コルビジェ)のソファが2脚。

その間にあるコーヒーテーブルの下段においてあった、
ティッシュカバーは黒い籐で編んだものを使っていたました。

本当に徹底してますね。

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寝室の床の間にはまた謂われの分からない掛け軸と・・・手。

この手は木彫りだったので、
何かの彫像から切り出したか残骸だかだとは思うのですが、
いかんせん夜中みると暗闇から薄っすらと浮かび上がってきて、
少し気味が悪いんですよ。

個人的にはこればかりは少しなんとかして欲しい。

海外のリゾートホテルでもありますよね。
こういうちょっとだけ気味の悪い調度品。

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寝室にはあらかじめ布団が敷いてありました。

着物の生地を使ったフットスローのセンスがまたいいですね。

どうでもいいことを言っていいですか?

フットスローは元々、部屋の中を土足で生活する欧米人が、
靴を吐いたままベッドにゴロンと寝ころんでも汚れないように
敷いてあるものですよね。

玄関でちゃんと靴を脱ぐ日本家屋の布団に必要か?

つまらないことを突っ込んでしまいました。
オシャレだからいいです。

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狭い家だし、昔ながらの日本家屋なので、階段はかなり急です。
今でも田舎のおばあちゃん家とかの階段って結構急だったりしますよね。

うっかり寝ぼけて転げ落ちないように気をつけましょう。

もう少し続きます。
最後は水回りのご紹介です。

宿泊記へ→ 「宿泊記 目次

京町家 庵 石不動之町 (1)

実は、お泊りネタがたまってまして、
重点的に更新するキャンペーンを開催しようと思います。

前回、2007年の京都旅行や2008年の愛媛旅行と、
町家や古い民家をリノベーションした物件が気に入っている
ことを書いたと思います。

今回の京都旅行では一歩踏み込んで、
町家に泊ってみたいと思います。
いわゆる(?)町家ステイってやつですね。

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今回お世話になったのは「庵」(いおり)という会社で、
10軒の町家を宿泊客用に管理しています。

大小さまざまな町家があって、物件によって定員が異なります。

今回我々が宿泊した石不動之町の町家は一番小さな家で、
定員は一棟で2名、杖夫婦二人でだけで一杯です。

一番大きな町家はなんと定員14名。
基本的には一棟貸しなので宿泊者数によって料金は変わりません。

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町家は建てられたのが大正時代や昭和初期だったりするので、
現在の法律で定められた基準をクリアしていない建物です。
そのせいもあって、そのままでは旅館営業ができないそうです。

なので、これらの町家に宿泊するには、
期間を定めた賃貸契約を結ぶ必要があります。
杖の場合は1泊(2日間)の賃貸契約を結びました。

事務所で落ち合い、町家まで車で送ってもらい、
そこで契約手続きを行います。

契約書にサインして鍵を受け取れば、
この町家一棟次の日の11時(チェックアウト時間)まで杖たちのものです。

なかなか面白い仕組みですね。

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この庵という会社はアメリカ人の東洋文化研究者が経営しています。

すると何かというと、欧米式の快適さを追求してリフォームしてあるんです。
我々は日本人ですが、普段は畳の部屋さえないほぼ西洋式の生活をしているわけです。
現代の日本人にとって快適な生活とはそういう生活様式になってしまっているんですね。

京都には他にも町家の一棟貸しをしている会社というのが、
何個かあるようですがいろいろ調べてみると、
上記のような基準の快適さで評価するのであれば、
この庵さんが一番モダンでセンスよく改装しているな。
という印象を持ちました。

畳の部屋にLe Corbusier(コルビジェ)のレザーのソファ。
それがまた違和感もイヤラシさも全然感じさせないところがセンス抜群です。

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京都の町家の一つの魅力は坪庭だと思うのですが、
ちゃんとあります。坪庭。

しかも、こんな間接照明までつけてあって、
白い塗り壁に笹の影が映し出されてアートですよ。これは。

こちらは玄関に置いてあった調度品。

まさか杖は骨董品を見る目を持つほどの教養人ではとてもないので、
いつの時代のものかはまったく分かりませんが、
少しばかりの信仰心はあるので、
これが不動明王の立像だということくらいはわかります。

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こういうところがよくも悪くも外国人のセンスで、
日本人だったらまず仏像を玄関に置くという発想は生まれないと思いますね。

それもこれも、ここを利用する半数は外国からの観光客だというのもあるでしょうし、
おそらく世界中を見ても日本人ほど信心の薄い国民はいないでしょうから、
大丈夫なんでしょう。

別に批判をしている訳ではなく、
ただ感想を述べているだけなので悪しからず。。。

つづく。

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