内子には何も食事をしに来たわけではありません。
目的の一つであることは否定はしませんが。

先ほどの下芳我邸などはこの辺にある八日市・護国の町並と
言われる江戸〜明治初めにかけて栄えた町が残っている一部なのです。

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ここいらの町屋にはいろいろな特徴があるのですが、
そのひとつが「うだつ」です。
写真の上の屋根と下の屋根の間にある小さな壁がうだつです。

もともとは隣家の火事の延焼を防ぐための壁らしいのですが、
作るのに財力が必要らしく、家の財力をアピールするために
その立派さを競い合ったりもしたそうです。

大したうだつも作れない。そんな人を指して、
「あいつはうだつが上がらない」というんだそうです。

ここでいうと、奥の家がより「うだつの上がる」家、
手前の家が奥に比べれば「うだつの上がらない」家ということになるのでしょうね。

もともとこのあたりは製蝋で栄えたらしいです。
今ではそれを生業にしている家はほとんどなさそうですが、
いくつかの家は本業か副業かはわかりませんが、
小さな民芸品店を営んでいます。

竹細工みたいなんもその一つ。

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生業といえば、床屋なんかもありますね。
現役の床屋さんです。

以前、確か飛騨高山の町並み保存地区を訪れた際にも感じましたが、
見ている我々は観光客なので他人事で済みますが、
住んでいる方々はこの景観を守るためにどれだけの苦労をしているのでしょう。

こんな木造と漆喰の古民家はさぞかし手入れも大変でしょう。
最新の機能性を備えた住宅に建て替えたいこともあるかもしれません。

変えないことへの努力に敬意を表さなければいけません。

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このあたりは×芳我さんという家が多いです。
通りの中でも一際大きく立派な蔵をもつ立派な屋敷は本芳我さん家です。
本家という理解でいいのかしら?

そのはす向かいが中芳我さん、もっと先に行くと上芳我さん、
先ほどのそば屋さんは下芳我さん・・・

分かりやすいのだか、分かりづらいのだかよく分らない苗字が並んでいます。

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最近思う。

桜は花そのものももちろんキレイですが、
その背景にどんな景色を背負っているかによって花の持つ表情がまるでちがう。

田圃に囲まれた平野に立つ村を見守る一本桜もよし。
学校にやってきた新しい笑顔を見守るグラウンドに咲く桜もよし。

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ここの桜も何かいろんなことを知ってそうです。

ね。